コールナンバー ダブルJ

国際秘密警察スペシャル(S)メンバーと呼ばれる男達のお話です
Posted by  朝倉 淳   4 comments   0 trackback

体育の日

FB2MO019.jpg       洸チーム      洸 神宮寺 西崎 高浜 関(GK) 

                       一平チーム     一平 ジョー 立花 中根 伊藤(GK) 


「体育の日だからってなんで急にサッカーするんだよ」
「いーじゃん、体育の日なんだから。オリンピックやW杯の予選も始まってるし、出場できるように応援しようぜ。それ!」
「あ、ずるいぞ、このやろう!」
 いきなりのキックオフに、だがジョーが洸からのボールをカットすると思いっきり蹴った。
「ジョー!」一平が声を上げた。「こっちは自陣だぞ!」
「あ、あらら・・・」ジョーはあわてて味方ディフェンスの前に転がったボールを追った。と、そこへ 立花が走り込んできた。「渡すか!」
「ぼくは味方だよ、ジョー」
 立花はジョーのフォローに入ったのだが。
「ああ、もう!ややっこしいな!もっとわかりやすくしようぜ」

 彼らは駐車場の片隅でボールを蹴っている。もちろん11人ではなく1チーム5~6人だ(←人数が足りないのだ)
 場所も狭くほとんどフットサルサイズで、ゴールもないので駐車場のコーンを2本立ててゴール代わりにしている。
 洸チームは着ている服そのままで、一平のチームは洸がどこからか持ってきた細長い布をビブス代わりに腕に巻き敵味方を区別している。確かにわかりずらい。
「自分のチームメンバーぐらい覚えろよ。大男は知恵が回らないんだな」
「なんだと、このやろ!」
 いつの間に洸がボールを持っていた。その足元に突進するジョー。だがヒョイッと躱される。そのままドリブルで相手ゴールまで突破を図ろうとするが、
「でやぁ!」
 若い中根がボールに向かってスライディングした。と、洸がアウトサイドでポンと蹴り上げそのままボレーで叩き込んだ。
「す、すげぇ・・・」
「感心している場合じゃねえぜ!おれ達負けてるんだぞ」
 パコンと中根の後頭部が鳴った。
 サッカーだろうとナンだろうと負けるのはいやだ。サッカーなんて面倒臭いが今はそれどころではない。
 一平と立花がセンターサークルにボールをセットした。と、
「お~、楽しい事してるでないの~」車を停めて降りてきたのは公安3課の関だ。「おれも混ぜてくれよ。ジョーはどっちだ?」
 と、勝手に一平チームに入ろうとした。
「やめた方がいい。年寄りは無理するもんじゃねえぜ」
「なに言ってる。まだまだ君達には─」
「関さん、参加するならこっちのキーパーをやってよ」洸が言った。1人足りないのだ。え~、と不満そうな関に、「ジョーがゴールに突進してきたら抱きつけるよ」
 と、耳打ちする。
「そ、そうか。よし」
 素直に、洸チームのキーパーだった西崎と交代した。ジョーがいやそうに眉をしかめた。

 一平と立花のキックオフで再び試合が始まった。
「ジョー!早く来いよー!思いっきり飛び込んで来い。優しく受け止めてやるぞ」
「黙れ、関!」
 中盤の神宮寺がボールを奪った。と、
「おれにもボール触らせろ~!」
 ドタドタと高浜が走ってきた。神宮寺がギョッと一瞬動きを止める。その体を腹で押して高浜がボールを奪った。
「味方同士でナニやってんだよ~」
 洸がわめいた。
「いいぞ!相手は高浜だ。取り返せ!」
 ジョーが高浜に向かって走る。大きな体を使って体当たりした。
「ファールだぜ!イエローだ!」
「うるせぇ!」
 そのままボールを奪ってクルリと方向転換した。目指すは敵陣、関が守る相手ゴールだ。
「ラグビーだっけ・・これ・・・」
 神宮寺が呟いた。
 ジョーの突進にキーパー関が身構えた。両手を広げその懐に彼をいだくように。
 悪寒がジョーの背中に走った。が、勢いがついているのでそう簡単には止まれない。それに追いつくためには1点入れなければならない。
(ええい!ままよ!)
 ジョーはそのまま突っ込み、西崎を躱すと思い切り蹴り込んだ。
「うわぁぁぁーー!」すごいスピードで向かって来るボールを関が弾いた。「ボールじゃない!君が飛び込んで来い!」
「やなこった!」
「ならばこっちから行くぞ」
 関がペナルティエリアから出た。と、すかさず、まだラインを割っていないボールを受けた一平がゴールマウスに叩き込んだ。
「関さ~ん
「す、すまん。ジョーが素直じゃないもんで」
 謝る関に、ヘヘンとジョーが鼻を鳴らした。

 試合は振り出しに戻った。
 今度は神宮寺と西崎のキックオフで始まる。西崎がちょっと蹴り出し、神宮寺が大きく相手陣地へ蹴り入れた。
 俊足の西崎がボールに追いつく。ディフェンスの中根を抜きゴールに迫る。
「伊藤!」自陣のゴールマウスを守る伊藤に向かってジョーが叫んだ。「てめえ!入れられたら ウッズマンのターゲットにしてやるぞ!」
「ひ、ひぇぇぇーー!」
 ジョーは口先だけの男ではない。やると言ったら必ずやるのだ。
 ボールを持った西崎がすぐ目の前に迫る。1対1だ。西崎の足が振り上がった。伊藤が体を投げ出す。ボールが当たり大きく跳ね返った。
「ナイス、キー!」
「すごいぞ、伊藤!」
「も、もうやだよ~」伊藤がわめいた。「キーパー代わってよ、ジョー。経験者だろー」
「やだよ、攻める方が好きなんだもん」
「そうだ、ジョーにキーパーさせるんじゃないぞ!」反対側にいる関が叫んだ。「キーパーになったら、おれの所に来られないからな」
 そーいう事か・・・とみんなが一瞬脱力した。それをジョーは見逃さない。
 実はクリアされたもののボールはまだ活きていたのだ。伊藤のセーブで大きく跳ね返ったボールをジョーが拾う。
「あ、やばい」
「ジョーを抑えろ!」
「ひええー!」
「怖いよ~」
 怒号と恐怖が渦巻く中をジョーが走る。行く手には満面笑みの関が・・・。
(い、行きたくねえ・・)
 だがやはり足は止められない。
 葛藤するジョーのあまりの形相に誰もその前に入る事はできず・・・いや、ただ1人、コンビの神宮寺だけがスッと立ちはだかった。
 テクニックはともかく体はジョーの方が大きい。思いっきり体当たりすれば神宮寺はすっ飛ぶだろう。(←・・・サッカーです)
「ぶっ飛ばされたくなかったら退け!」
「そうか?」
 素直に、神宮寺がスッと体を退けた。そのすぐ後ろに関がいた。
「ジョ~~
「うわぁぁ!
 ボールを蹴り込むより早く関とぶつかり、そのまま2人縺れてゴールに転がり込んだ。
「やっとおれの胸に飛び込んできたな、ジョー」
「は、放せ!あ、こら!触るな、そこ!」
 ゴール代わりの2本のコーンをなぎ倒し2人が暴れる。
「・・・・・」
 呆然と見つめる後の8人に─。
「あー!!」大声が襲い掛かった。振り返ると佐々木がワナワナと震えていた。「こ、こ、こ・・・」
「佐々木さんがにわとりになったぞ」
「こ、このTシャツを切り裂いたのは誰だ!」佐々木の手にはTシャツというよりボロボロの布っ切れが・・・。「お気に入りのバンドのTシャツだ。洗って干しておいたのに」
「・・もしかして・・・これ?」
 一平や立花が腕に巻いている布を見た。
「えー、だって駐車場の隅に落ちてたからてっきり捨ててあるんだと思って~」
「君か、洸!」
「ひえー!ごめんなさーい!」
 追いかけっこを始める佐々木と洸。まだ騒いでいるジョーと関。それを見ている男達の顔にドッと汗が吹き出てきた。

 世界中の青空をJB上空に集めたような気持ちの良い青空の下でのひと時だった。


                                            おわり

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Comment

淳 says... "覚書き"
体育の日の夜に書いたお話。
もっと早めに思いついてほしいよね。そうすればもっと色々考える事ができたかもしれないのに。

試合の流れ↑がよくわからなくても、ジョーと関のv-345v-346を堪能していただければ。(違っ!)

こんな事してて大丈夫なのか、JB・・・
2011.10.12 14:35 | URL | #vDtZmC8A [edit]
says... "管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2011.10.12 15:14 | | # [edit]
淳 says... "コメントをくださった方へ"
は、早っ!

す、すみません。いらっしゃいませ。
あまりの早いコメントにびっくりしまして。

手前味噌ですが・・・書いていて自分でも色々な場面を想像しておかしくておかしくて。
「触るな、そこ!」ってどこだろ~~なんて、キー打ちながらニタニタしてました。←怪しいです

アップしてから気が付いたのですが・・・彼らの動きをフットサルサイズでやるのは神業です(ーー;)
それとタックルしないでくださいねー。一応サッカーです、ジョー以外。





2011.10.12 16:26 | URL | #vDtZmC8A [edit]
says... "管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2011.11.25 17:38 | | # [edit]

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