コールナンバー ダブルJ

国際秘密警察スペシャル(S)メンバーと呼ばれる男達のお話です
Posted by  朝倉 淳

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Posted by  朝倉 淳   2 comments   0 trackback

Valentine Bomb 2

PHOT000000000001B95E_500_0.jpg

「鑑識課の皆様へ愛を込めて─Aより。なんです、これは」
 デスクに乗っている30センチ四方ほどの箱を見て神宮寺が言った。
 ステンレス製らしいその箱には繋ぎ目がなく、どうやって開けるのかわからない。
「鑑識課の前に置かれていたんだ。これと一緒にね」
 鑑識課々長の大館が指差したのは1台のタブレット型モバイルだ。ケーブルで箱に繋がれている。そしてそのモニタには一面にアルファベットや数字が表示されいる。
「〝programで開くよ〝とある。察するところ去年のバレンタインのお返しだろう。きっとこのモニタにあるプログラムを解読して箱を開けるのだと思う。洸君の考えそうな事だ」
「Aって・・・アサクラということは」ふと言葉が切れる。「・・ないですね」
「私に挑戦するなんて、洸君も命知らずな奴だ」
 Sメンバーだしな、と神宮寺は思いモニタを見た。
 隅々までびっしり書かれたその中には所々にアルファベットの大文字が見える。通常プロブラミングに使われるのは半角英数で全角は使わない。
「いや、洸君の事だ。なにか特殊なプログラムを開発して─」
 大館は目を皿のようにして文字を追っている。
 最初に書かれているのはネットのアドレスらしい。クリックしてみると洸のサイトに飛んだ。

『ようこそ。ここにプログラムを入れてね』

 その下に入力欄があるが、モニタに書かれている文字を全部入れることはできない。
「これはいったい何のプログラムですかね」
 コンピュータには強い神宮寺だが、先程からずーと見ているがさっぱりわからない。プログラムというよりはただの文字の羅列に見える。
「洸君の事だからな。素直に書かれているとは思わない。1文字置きとか2文字置きとか・・・」
 大館が並ぶ文字から1文字置きにアルファベットや数字を抜き出し繋げていく。が、これでは ますますわからない。
「ううん・・・2文字置き、かな」
 違うような気がする、と神宮寺が無言で大館に言うが彼には伝わらない。
「おかしいな。これをこっちにして、これはあっちに持って行って─」
 なにやら複雑怪奇な文字抜きが始まり、大館の指がモニタ上をあっちこっちに滑る。その横では神宮寺が自分のモバイルにプログラムを写し取り、なにやらブツブツ言っているが、やはり解読できないようだ。と、
「ああ、もうわからん!」大館が大声を上げた。「阿部君、管理課の富山課長を呼び出してくれ。 メインコンピュータを借りる」
「お、大館さん」さすがに神宮寺が止めた。「JBが機能しなくなります」
「しかしなぁ、14日中に開けなければこちらの負けだ。なんとしてでも─」
 そうなのか?と神宮寺は思った。

「おい、神宮寺」ドアが開き、鑑識課室に入って来たのはジョーだ。「書類を1枚忘れてるぜ」
「あ、すまん」
 そうだ、自分は鑑識課に書類を届けに来たのだ。すっかり忘れていた。
「なんだ、これ。Aより?」モニタを覗きジョーが言った。「おれじゃねえぜ」
「わかってるよ」ジョーならこんな回りくどい事はしない。3分以内に開けないと爆発するぜ!とか言うだろう。「実はカクカクシカジカで、プログラムで開くというんだけど解読できないんだ」
「そんなもの、薬品でも爆薬ででもフッ飛ばせば開くぜ」
「それを〝開ける〝とは言わない。〝壊す〝というんだ」
「中味がわかればいいんだろ。どっちでも同じじゃん」
「同じではない、ジョー」こめかみに青筋を立てた大館が睨む。「これは洸君と鑑識課の頭脳比べだ。双方の知識をフル回転してだな─」
「ふうん」再びモニタに目をやったジョーだが、「だったらそのまま入れればいいじゃん」
 と、指一本でツンツンとキーを押していく。

 program  

 カタン

「あっ!」
 箱の上面の真ん中に亀裂が入り、左右に割れた。と同時にポンッ!と白い煙が花火のように打ち上がった。
「うわっ、なんだよ、これ!」
「じーさんになる!」
 モロに浴びた大館と部下の阿部が叫んだ。

 ふとモニタを見た神宮寺の目が、所々に書かれた大文字だけを抜いて並べ替えてみると・・・

 IT IS A FAKE

「だが、洸もまだまだ甘いな」
 なんだよー、中味ねーじゃん!とわめくジョーを見ながら、神宮寺は思った。


                                                  おわり



スポンサーサイト

Comment

響子 says... ""
わはは
何も考えないで爆弾の配線をひっこ抜いた「おはよう~」のジョーを思い出しました
どこのジョーも性格が似ている?(爆)
2012.02.15 16:03 | URL | #/5lgbLzc [edit]
淳 says... "響子さん"
いらっしゃいませ、響子さん。
いつもありがとうございます。

あはは・・・ありましたね~、そーいうジョー。
うん、どこへ行っても変わらないのがジョーの強みでしょうか。

ここの設定では神宮寺も洸もIT関係には強い事になっていますが、その上を行くジョーの頭の中を見て見たいです。
複雑な数式が入っているのか、それとも・・・(←絶対、こっち)
               
        
2012.02.16 12:32 | URL | #vDtZmC8A [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://junstory.blog63.fc2.com/tb.php/262-4e204c38
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。